戦略ブログ sandhills’s blog

戦略論、経営戦略、戦略マーケティングなどについて書いていきます

クリティカル・シンキング

MBAのコースの最初にクリティカル・シンキングというものを学びました。

これは、ざっくりいうと、「本当ですか?」と常に聞く、ということです。

例えば、ある会社が儲かっている、と言われているとします。「本当に儲かっているのですか?」と聞くと嫌がられますが、自分の内部で、本当に儲かっているのか?と疑問を持つわけです。

その会社の全ての事業が儲かっているかはわかりません。A事業部はドル箱になっているが、B事業部は何十年にも渡って赤字を垂れ流しているかも知れません。

それでも、全体としては儲かっていると言えるかも知れません。

あるいは、会社によっては、すごい借金を背負っているかも知れません。売上5000億円あるとしても、借金が3000億円位あると、いくら儲かっていても、金利の支払いでかなりの負担になっている場合もあり得ます。

あるいは、たまたま、不動産や株式を売却したのでその年だけ大きな副収入があったのかも知れません。本業の製品では赤字ギリギリかも知れません。

また、儲かっていると言っても、利益率が9割と言われる製薬企業のようにすごい利益率の場合もあれば、ユニクロのように薄利多売で儲かっている場合もあります。

ですから、一言で儲かっている、と言っても、詳細に見ていくと様々なパターンがあります。

要素ごとに分解することで、より正確に事象を理解できます。

そして、その会社が将来成長するか?については、その会社の理念、ビジョン、目的も重要と思います。

日本大学は日本でもほぼ最大の大学で、おそらく儲かっていると思います。しかしながら、暴力団と付き合いがあるという噂のある理事長や、暴力をふるう副理事等が権力を握っているようです。

そうすると、今は儲かっているとしても、今回のアメリカンフットボール部のように、傷害事件を起こし、ブランドが地に落ちれば将来的には儲からなくなる可能性もあります。

信用を築くには長い年月がかかりますが、信用を失うのは一瞬ですから。

そういう意味では、常に理念、ビジョンを確認し、原則に沿った経営をしていくべきでしょう。

自分が経営層にいる間だけ儲かればいい、という経営者が上に立つとその会社や大学はいずれ衰退してしまうでしょう。